既製コンクリート杭の施工方法には、打込み工法と埋込み工法がありますが、打込み工法においては、打撃に伴って発生する騒音・振動が公害問題として取り上げられ、現在では都市部やその近郊において、打込み工法によって杭を設置するのは難しく、公害の無い施工方法が強く望まれるようになりました。
この要望に応えるため開発されたのが、STJ工法(SUPER TWIN JET SYSTEM)です。
低騒音・低振動
施工は、STJビットを取り付けたスパイラルオーガを用い、杭中空部を利用した中堀りで杭を設置し、高圧ポンプでセメントミルクをジェット噴射して拡大球根を築造するので、騒音や振動の公害がありません。
確実な拡大球根の築造
オーガの回転を低速回転に切替え、2方向高圧噴射ノズルからセメントミルクをジェット噴射させながら、油圧ジャッキを用い、一定速度でオーガを引き上げるので、確実な拡大球根が築造されます。
大きな支持力
杭径より大きい確実な拡大球根が築造でき、球根部の圧縮強度は289~604kgf/c㎡となっており、杭に加わる荷重を支持地盤に伝達するのに十分なものとなっており、鉛直載荷試験結果も大きな支持力が得られています。
迅速な施工
一台の施工機械で、掘削・設置および拡大根固め施工が連続して出来るので、施工が円滑に行われます。
安い施工費
施工は、一台の機械で連続作業が出来るので、施工効率が良く、施工費も安く済みます。
施工上の二次公害が無い
STJ工法における廃棄物は、中掘り設置時の排出土砂は自然の土砂であり、ベントナイト泥水などによる二次公害はありません。
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施工手順
1.
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駆動部によってスパイラルオーガを回転し掘削・排土しながら杭を貫入させる。
(油圧又はモンケン軽打の併用) |
2. |
一本目施工後二本目杭を吊込み、一本目と二本目のオーガシャフトを接続、その後に杭を溶接する。 |
3. |
再び駆動部を起動し、油圧又はモンケン軽打を併用しながら杭を貫入させる。 |
4. |
杭が支持層に達した後、根固め用セメントミルクを高圧ポンプにより噴射しながらスパイラルオーガをゆっくり引き上げて球根を築造する。 |
5. |
球根築造完了後、油圧又はモンケンで杭に加圧する。 |
6. |
杭の加圧完了後、被圧水などを抑えるため杭中空部に注水しながらスパイラルオーガを引き抜き施工を完了する。 |
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